省力化投資補助金(一般型)第9回公募に向けて今やること|note記事を更新しました

※この記事はnoteから引用しています。


「人手が足りないから、機械を入れて楽にしたい」
「でも、設備投資はお金がかかるし…」

そんな中小企業が検討したいのが、まもなく公募が始まる「中小企業省力化投資補助金(第9回)」です。

とはいえ、補助金は種類が多くて何から手をつければ良いのかわかりにくいですよね。

この記事では、省力化投資補助金・第9回の締切(2026年12月下旬予定)に向けて、今やるべきことをまとめます。

目次

省力化投資補助金とは?

省力化投資補助金は、人手不足に悩む中小企業などが、ロボットやAIなどを活用した設備・システムを導入し、業務の省力化を目指すときに使える補助金です。

省力化投資補助金には2つのタイプがあります。

  • カタログ注文型:国のカタログに登録された製品から選んで導入します。
  • 一般型:自社の業務に合わせた設備やシステムを導入します。カタログ注文型より補助額が大きいです。

この記事では主に「一般型」について書きます。

1. スケジュールを確認する

公式サイトによると、第9回の締切は2026年12月下旬の予定です。
採択発表は、過去の回から考えると2027年4月頃になると思われます。

申請から入金までの流れは、こんなイメージです。

省力化投資補助金(一般型)第9回スケジュールの目安(※第9回の公募要領は未公開のため、第8回の公募要領と過去の公募回をもとに筆者が作成)

ここで知っておきたいのは、補助金は「後払い」ということです。

採択されたらすぐに補助金が振り込まれるわけではありません。

交付決定を受けたあとに設備の発注・納品・支払いなどを行い、実績報告をして、補助金額が確定したあとに入金されます。

そのため、補助金が入金されるまでの設備代金などをいったん自社で負担する必要があります。

また、交付決定より前に発注した設備は、原則として補助対象になりません。
「すぐに設備を入れたい」という場合は、スケジュールが合うか確認が必要です。

2. 自社が対象か調べる

自社が補助金の対象となる「中小企業」にあたるかを調べる必要があります。

業種ごとに、資本金か常勤従業員数のどちらかが次の数字以下なら対象です。

  • 製造業・建設業・運輸業:資本金3億円以下 または 従業員300人以下
  • 卸売業:資本金1億円以下 または 従業員100人以下
  • サービス業:資本金5,000万円以下 または 従業員100人以下
  • 小売業:資本金5,000万円以下 または 従業員50人以下
  • その他の業種:資本金3億円以下 または 従業員300人以下

※ソフトウェア業・情報処理サービス業、旅館業などは別の基準があります。

ここでいう「常勤従業員」には、役員、試用期間中の人、2か月以内の短期契約の人などは含みません。

また、次のような会社は対象外になるので注意が必要です。

  • 従業員が0名の会社
  • 大企業が株式の半分以上を持っているなど、実質的に大企業とみなされる会社(みなし大企業)
  • ものづくり補助金などの交付決定を受け、まだ補助金の支払いが終わっていない会社

3. どんな設備投資に使えるかを知る

一般型では、個別の現場や事業内容に合わせた「オーダーメイド」の設備導入・システム構築が支援対象になります(単価50万円以上)。

汎用設備やパッケージソフトを単体で導入するだけでは対象外です。

たとえば、こんな投資が考えられます。

  • 自動車部品の製造で、AIとカメラを使った自動外観検査装置を現場に合わせて導入する
  • 通信販売で、自動梱包機と倉庫管理システムをオーダーメイドで開発・導入する
  • 複数の作業工程を連携させ、搬送や加工にかかる人手を減らす

ポイントは、単に設備を新しくすることではなく、導入によって、どの作業がどれだけ省力化されるのかを説明できることです。

4. いくら補助されるか確認する

補助上限額

補助上限額は、従業員数によって変わります(カッコ内は大幅賃上げ特例(※)を使った場合)。

  • 5人以下:750万円(1,000万円)
  • 6〜20人:1,500万円(2,000万円)
  • 21〜50人:3,000万円(4,000万円)
  • 51〜100人:5,000万円(6,500万円)
  • 101人以上:8,000万円(1億円)

※大幅賃上げ特例とは
大きな賃上げを約束すると、補助上限額が引き上げられる特例です。
条件は、次の2つを両方満たすことです。
①1人当たり給与支給総額を、年平均+6.0%以上増やす
②事業場内最低賃金を、都道府県の最低賃金+50円以上にする

補助率

補助率は次のとおりです。

  • 中小企業:1/2
  • 小規模事業者・再生事業者:2/3
  • 最低賃金引上げ特例に該当する中小企業:2/3

たとえば従業員60人の会社が、1億円(税抜)の設備投資をする場合、補助率1/2なら最大5,000万円が補助されます。

●最低賃金引き上げ特例とは
最低賃金に近い水準で従業員を雇っている会社は、補助率が1/2から2/3に引き上げられる特例です。

条件は、2024年10月〜2025年9月の間に「当時の最低賃金以上〜2025年度改定後の最低賃金未満」で雇っていた従業員が、全従業員の30%以上いた月が3か月以上あることです。

5. どんな要件をクリアすれば良いか知る

補助金を受け取るには、3〜5年の事業計画をつくり、以下のような労働生産性の向上や賃上げを約束する必要があります。

① 労働生産性の年平均成長率+4.0%以上
② 1人当たり給与支給総額の年平均成長率+3.5%以上
③ 事業場内最低賃金を、都道府県の最低賃金+30円以上にする
④ 一般事業主行動計画を公表する(従業員21人以上の場合のみ)

②や③が達成できないと、補助金の返還が必要になることがあります。
実質的に、「賃上げを約束する補助金」と言えるでしょう。

※労働生産性
付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)を、働く人の数で割ったものです。

※給与支給総額
給料・賞与・各種手当など。役員報酬や法定福利費、退職金は含みません。

※一般事業主行動計画
子育てと仕事を両立しやすい職場づくりの計画。国のサイト「両立支援のひろば」で公表します

6. 減った時間の使い道を考える

一般型の審査では、次の4つの観点が重視されます。

  • 省力化指数:設備の導入で、業務の時間がどれだけ減るか
  • 投資回収期間:投資した金額を何年で回収できるか
  • 付加価値額の伸び:会社の稼ぐ力がどれだけ伸びるか
  • オーダーメイド性:自社の業務に合わせた設備になっているか

「この作業が1日○時間減る」「○年で投資を回収できる」と、数字で説明することが求められます。

さらに大事なのは、減った時間を何に使うかです。

省力化で生まれた時間や人手を、より付加価値の高い仕事に振り向けて、会社全体の稼ぐ力と賃上げにつなげるかまでストーリーを描くことが重要です。

7. 今すぐできることをやる

申請を決めたら、まずは次の2つに取りかかると安心です。

① GビズIDプライムを取得する

GビズIDは、補助金の電子申請などさまざまな行政サービスにログインできる、法人・個人事業主向けの共通アカウントです。

省力化投資補助金の申請には、このうち「GビズIDプライム」が必要です。
代表者のマイナンバーカードとスマホがあれば、法人でもオンラインで最短即日取得できます。

② 導入したい設備のカタログ・見積もりを集める

申請時には、設備(50万円以上)の仕様や金額がわかる書類が必要です。

今のうちからカタログや参考見積書を集めておくと安心です。

なお、見積もりの依頼はOKですが、発注は交付決定のあとです。

まとめ

今回は、省力化投資補助金(第9回・一般型)について、今からできることをまとめました。

  1. スケジュールを知る
  2. 自社が対象か調べる
  3. どんな設備投資に使えるかを知る
  4. いくら補助されるか確認する
  5. どんな要件をクリアすれば良いか知る
  6. 減った時間の使い道を考える
  7. 今すぐできることをやる

次回は、事業計画書の中身や提出書類について、もう少し詳しく触れてみようと思います。


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