補助金申請の落とし穴|note記事を更新しました

この記事はnoteから引用しています。
みなさんこんにちは!中小企業診断士のよこたです。
補助金のご相談をいただくと、
「えっ、〇〇って対象にならないの?」
「採択されたのに、まだお金もらえないの?」
など、初めての方が驚かれる場面によく出会います。
補助金のしくみは複雑で、誤解や思い込みから「こんなはずじゃなかった」となることも少なくありません。
そこで今回は「補助金申請で意外と知らない落とし穴」をテーマにまとめてみました。
■ お金の話
– 補助金は後払い
補助金が採択されても、すぐにお金がもらえるわけではありません。補助事業にかかるお金は事業者が立て替えます。
補助金採択後に「交付申請」をして、事業を実施したらすべての書類を揃えて完了報告書を提出します。事業が承認されたらようやく補助金が振り込まれます。
補助事業にかかるお金は、自己資金でまかなうか、金融機関などから借り入れる必要があります。
前払いのしくみがある補助金はかなり稀です。
– 自己負担額がある
補助金によって、「補助率1/2」や「補助率2/3」などの指定があります。残りは自己負担です。
補助金はあくまでも、事業者がやりたいことを“補助するためのお金”という位置づけなので、自己負担してでも実施すべき事業か、事業者さん自身がよく考える必要があります。
– 採択金額=実際に支払われる補助金額ではない
補助金採択〜交付決定の段階では、補助金額の上限が決まるだけです。
交付申請のときに見積もっていた金額よりも実際に事業者が支払った金額が少なければ、補助金の支払額はその分だけ減ります。支払い実績は銀行の振込データや通帳などから照合します。
また、書類に不備があれば補助金の対象外となり、支払われません。
■ 対象経費の話
– PC、エアコンなどの汎用品は対象外
よく聞かれるのが「PCを買える補助金ってない?」という質問。
基本的に、補助金で個人用PCを購入するのは難しいです。
PC、プリンター、エアコンなど、補助事業以外にも使えそうな機械・設備は“汎用品”と見なされ、補助金の対象になりません。
ただし例外的に、専用ソフトウェアが組み込まれた特殊なPCなどは対象になることがあります。この場合でも、補助事業に本当に必要な台数のみ認められます。
補助金以外の業務にも使える社員用のPCなどは、基本的に補助金で購入することはできないと思っておいたほうが良いです。
– 人件費は原則対象外
ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金などのメジャーな補助金では、自社の人件費は補助対象外です。
外注費や専門家謝金などは申請が可能です。
例外として、厚労省関係の助成金や、産学連携・研究系の補助金では人件費が補助対象になることもあります。
■ スケジュールの話
– 公募開始 と 申請受付開始 は違う
補助金のスケジュールを見ると、たいてい「公募開始」と「申請受付開始」と書かれています。何が違うの?と思いますよね。
「公募開始」というのは公募要領(ルール)を公開する日。
「申請受付開始」は、実際に申請書が提出できるようになる日です。
– 採択後にすぐに始められるわけではない
補助金の採択発表後、「交付申請」という手続があります。
交付申請では、実際に見積書や仕様書を取得したり、経費明細表を作成したり、資金計画を提示したり…と、事業者がやることがたくさんあります。
交付申請後、「交付決定通知書」が出てからようやく事業を開始できます。
交付申請が遅れれば、事業実施に使える期間が短くなります。
– 指定された期間に注文・納品・支払をしないといけない
補助事業を実施する期間は、公募要領で定められています。
交付決定日から、指定された事業実施終了日の間に、経費対象となる物品・サービスの契約、納品、支払いを終えることが必須です。
期間内に支払いをしているか・納品されたかどうかは、領収書や振込記録の日付、納品書へのサイン、納品された段ボールの証拠写真などを照合して、厳密にチェックされます。
■ 事業終了後の話
– 収益納付が求められることがある
補助金の種類によっては、補助金で購入したものから直接収益が発生したら、収益分の補助金返還義務があります(「収益納付」といいます)。
例えば、カフェ経営のために補助金でコーヒーマシンを買って、それでコーヒーを作って販売した場合などの利益などです。
持続化補助金ではこの「収益納付」のルールが明記されているので注意が必要です。
なお、ものづくり補助金では2025年から「収益納付は求めない」ことに変更されています。
– 補助金で購入した物品は勝手に処分できない
補助金で購入した物品の中には、勝手に売ったり処分したりできないものがあります。
ものづくり補助金であれば、単価50万円(税抜)以上の機械装置等は「処分制限財産」として、補助事業終了後も一定期間の保管義務があります。処分制限期間は補助金によって異なりますが、5年程度が一般的です。
処分する場合は所定の手続・承認を得る必要があります。勝手に売却・廃棄するとペナルティにつながります。
■ 支援機関の話
– 支援機関にサポートしてもらっても100%採択されるわけではない
補助金申請を支援機関にサポートしてもらうと、確かに採択率は上がりますが、100%採択されるわけではありません。
支援機関の腕による部分もありますが、最終的に評価されるのは補助事業の内容そのものです。
事業計画が補助金の趣旨・目的に合致しているか。
実現可能性が高いか。
社会的インパクトがあるか。
これらの内容が総合的に審査対象になります。事業計画書のポイントは以下の記事でも紹介しているので、参考にしてみてください。

まとめ
今回は、補助金を初めて申請する人が意外と知らないポイントをまとめました。
補助金はルールが多くて戸惑うこともありますが、しくみを理解すれば事業の強い味方になります。
少しでも不安があれば、専門家に相談してみてくださいね。

