5年間離職ゼロの職場、私が辞めない理由|note記事を更新しました

※こちらの記事はnoteから引用しています。


私が都内の中小製造業に転職したのは2020年5月。
そこから5年以上、従業員約20名の離職はゼロです。

中小企業なので、特別に給料が高いわけでもない。
中期経営企画も、人事評価制度もない。
DXとは無縁で、未だに紙のタイムカードを使っているような職場。

それでも、私を含めて誰も辞めないんです。
一体なぜでしょうか。

そのヒントは、最近Audibleで聞いた『離職防止の教科書』にありました。

離職防止の教科書: いま部下が辞めたらヤバいかも…と一度でも思ったら読む 人手不足対策の決定版

この記事では、私自身の「辞めない理由」について、改めて考えてみました。

離職の心理は4種類

「離職防止の教科書」の著者・藤田耕司さんは、人間が離職する心理は4種類に分けられると述べています。

それが、アルダファーの唱えた欲求のERG理論に、公欲を加えた4種類です。

【ERG理論】
・E(Existence)…生存欲求

→生活・安全の保障。給与や労働時間の妥当性を求める欲求。

・R(Relatedness)…関係欲求
→上司や同僚と良好な人間関係を築いて、人から認められたいという欲求。

・G(Growth)…成長欲求
→苦手を克服したい、成長したい、自分の可能性を追求したいという欲求。
 (これに加えて)
公欲】
→人を喜ばせたい、社会のために役に立ちたいという欲求。

離職は複数の原因が積み重なって起こることが多いですが、大体この4つの心理に分類できます。

転職者が「前職を辞めた理由」を分類

厚生労働省の「令和6年雇用動向調査の概要」を見ると、転職入職者が前職を辞めた理由(個人的理由)が男女別に掲載されています。

■ 前職を辞めた理由と割合(男女別)

仕事の内容に興味を持てなかった:男性4.4%、女性3.6%
能力・個性・資格を生かせなかった:男性3.8%、女性3.7%
職場の人間関係が好ましくなかった:男性9.0%、女性11.7%
会社の将来が不安だった:男性7.4%、女性5.1%
給料等収入が少なかった:男性10.1%、女性8.3%
労働時間、休日等の労働条件が悪かった:男性8.6%、女性12.8%
結婚:男性0.6%、女性1.9%
出産・育児:男性0.5%、女性1.8%
介護・看護:男性1.2%、女性1.0%
その他個人的理由:男性20.2%、女性24.3%

令和6年雇用動向調査の概要より抜粋

これらの項目を、結婚・出産などの物理的な理由を除いて「生存欲求」「関係欲求」「成長欲求」「公欲」4つの欲求に分類してみます。

・仕事の内容に興味を持てなかった…成長欲求、公欲
・能力・個性・資格を生かせなかった…成長欲求、公欲
・職場の人間関係が好ましくなかった…関係欲求
・会社の将来が不安だった…生存欲求、成長欲求、公欲
・給料等収入が少なかった…生存欲求
・労働時間、休日等の労働条件が悪かった…生存欲求

離職理由の割合を見ると、

  • 男女ともに「関係欲求」が満たされないことによる離職が多く、女性の方が顕著
  • 男性は「生存欲求」の中でも収入を重視、女性は「生存欲求」の中で労働条件を重視

ということがわかります。

もちろん、人によっては「成長欲求」や「公欲」を重視して転職した場合もあると思います。

自分の職場はどうなのか

それでは、私の場合はどうなのか、4つの欲求にあてはめて考えてみます。

生存欲求:給料は不十分だけど労働環境は良い

大企業に勤めている方々と比べたら、やっぱり給与水準は低いです。

賃上げのペースは遅いのに社会保険料はどんどん上がるので、5年間で私の手取りの給与額はほとんど変わっていません。
むしろ、昨今のインフレの影響で実質賃金は下がっています。
(だから副業をするモチベーションにもなっているのですが…。)

一方で、残業はほぼゼロ。残業したら1分単位で残業代が出ます。

また、勤務時間は7時間30分で、一般企業(8時間)や公務員(7時間45分)より短いです。

私は子育て中ということもあり、基本は在宅勤務で出社は週に1〜2回(曜日も特に決まっていない)。
子どもの急な体調不良でも休みが取りやすく、土日祝・お盆休み・GWや年末年始なども含めて休日日数も十分にあります。

私にとっては理想的な労働環境です。

関係欲求:職場の人間関係は良好で不満なし

私が入社したときに驚いたのは、社長が「うちはいい会社なんだよ」と言っていたこと。
そして、上司や同僚も口を揃えて「うちの会社、いい会社だと思うよ」と言っていたことです。

それくらい、人間関係が良好で “人のストレス” がない職場なんです。

期末の棚卸し、土用の丑の日の「うなぎの会」、忘年会、納会、新年会などの社内行事は、よっぽどのことがない限り全員参加が当たり前。

2年に1回の社員旅行にも、従業員の半数以上が参加します。

30代〜80代までの幅広い世代が働いているからか、みんな若い世代に優しく、良くも悪くも ”ユルい” 雰囲気の職場と言えるかもしれません。

前職では性格が合わなくてギスギスしている同僚たちや、上司のパワハラ・モラハラを散々見てきたので、人間関係が良好だとこんなにもストレスがないのかと驚いています。

成長欲求:会社の外に成長を求める

個人的に、今の職場にもう少し求めたいのは「成長できる環境」です。

転職してから今まで、私自身は大きな裁量権を与えてもらって自由に仕事をしてきたので、色々な面で成長できたと思っています。

公務員時代はITツールも今ほど使えなかったし、売上・仕入の概念もなかったし、他の会社の方々と協力して何かをやり遂げる経験もありませんでした。

この5年間で、「民間で働くこと」「中小企業で働くこと」の経験はたくさん積めました。

一方で、5年も経つと仕事に慣れてきて、何か新しいことをし続けないと自分の成長が止まってしまう危機感を感じています。

中小企業診断士の資格を取ったり、新しい補助金に挑戦したり、官公庁の大型案件に応募したりしてきましたが、今の会社の業務で成長できることには限界があります。

そこで私は、「会社の外」で成長の機会を得られるのでは、と考えるようになりました。

具体的には、副業をしながら他社の事例を学んだり、大企業で働く先輩と一緒に社外プロジェクトに参加して知見を得たり、本や有料講座のインプット・noteのアウトプットを頑張ったり…といったことです。

テレワークできる環境があるからこそ、職場の外でいろんなことに挑戦できるので、そういう意味では成長欲求も満たされているのかもしれません。

公欲:今のところあまり重視していない

最後に「公欲」について。
私は働くことで「誰かに喜んでもらいたい」とか「社会のために役に立ちたい」という欲求をあまり重視していないかもしれません。

今の職場ではエンドユーザーさんの顔が見える商品やサービスを提供する機会が多いのですが、お客さんが喜んでくれるからやりがいを感じるかというと、そうでもない。

むしろ、一緒に仕事をしている仲間(同じ職場の人や、協力会社の人たち)が楽しそうにしているので、私も楽しんでやっているという感覚です(関係欲求の方が強い)。

私が職場で重視するのはむしろ、公欲以外の3つの欲求(=私欲)が満たされるかどうかなんだと思います。

まとめ

私が「辞めない理由」を考えてみたら、それは高い給料でも整った制度でもなく、「安心して働けること」と「人間関係にストレスがないこと」でした。

そして、会社で足りない「成長」は、外で取りにいけばいいと考えていたこともわかりました。

今回の振り返りで、自分は何を大切にしているのかに気づけた気がします。

みなさんの転職理由や「辞めない理由」もぜひ教えてくださいね。


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