Go-Tech事業は難しい? 他の補助金との違いと申請の落とし穴【2025年採択実績のある診断士が解説】|note記事を更新しました

※この記事はnoteから引用しています。
2025年6月26日、令和7年度のGo-Tech事業の採択発表がありました。あまりメジャーな補助金でないので知らない方も多いのではないでしょうか。
Go-Tech事業(成長型中小企業等研究開発支援事業)とは、中小企業が大学等と連携して取り組む研究開発を、最大3年間支援する国の補助金制度です。
実は私も本業(小規模製造業勤務)で公募に申し込んでおり、無事採択されました…!
本記事では、中小企業診断士である私が実際に申請して採択された経験をもとに、他の補助金との違いや申請の落とし穴について解説します。
Go-Tech事業とは
Go-Tech事業(成長型中小企業等研究開発支援事業)は、中小企業等が大学等と連携して行う、事業化につながる可能性の高い研究開発、試作品開発及び販路開拓への取組を、最大3年間支援する国の補助金事業です。
前身となる「戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)」と「商業・サービス競争力強化連携支援事業(サビサポ事業)」を統合した事業のため、「旧サポイン事業」と呼ばれることもあります。
Go-Tech事業の特徴
Go-Tech事業には大きく3つの特徴があります。
■ 特徴1. 補助金額の大きさ
■ 特徴2. 柔軟な年度間経費配分
■ 特徴3. 事業管理機関の選定
■ 特徴1. 補助金額の大きさ
Go-Tech事業の最大の特徴は補助金額の大きさです。通常枠では3年間の合計で最大9,750万円という大型の補助が受けられます。単年度でも通常枠で4,500万円と、他の補助金と比較して非常に大きな金額となっています。
【令和7年度の主な補助金と補助上限額の比較】
■ Go-Tech事業(通常枠)
単年度最大4,500万円
3年間で最大9,750万円
■ ものづくり補助金(第20次)
750万円〜最大2,500万円
■ 中小企業省力化投資補助事業(一般型)
750万円〜最大8,000万円
補助上限額の比較
■ 特徴2. 柔軟な年度間経費配分
Go-Tech事業では年度間の研究経費の配分が柔軟に変えられます。事業期間が複数年にわたる場合、年ごとの研究開発費に差をつけることができるため、研究開発の進捗や計画に合わせた予算配分が可能です。
例えばこんな配分ができます(補助上限額9,750万円で計算しています)。
■補助金配分パターン:初年度の投資額が大きい場合
1年目 4,500万円
2年目 3,000万円
3年目 2,250万円
Go-Tech事業の補助金配分の例
■ 特徴3.事業管理機関の選定
Go-Tech事業は産学連携が基本となっています。中小企業等と大学や公設試験研究機関等が共同体を形成し、連携して研究開発を行うことが求められます。

補助金申請のとりまとめは「事業管理機関」が行うことになっており、大学等を事業管理機関に選定すると補助率アップなどのメリットもあります(後述します)。
【Go-Tech事業の特徴】
Go-Tech補助金は、1件あたり最大9,750万円の補助金が交付される大型事業であり、柔軟な年度配分や産学連携による事業管理機関の制度が特徴です。
Go-Tech事業の申請が難しい理由
Go-Tech事業の採択率は50%前後で、申請件数は年間200〜250件程度です。他の補助金(ものづくり補助金の申請件数は5,000件以上)と比べると認知度も低く、申請ノウハウなどの情報があまり出てきません。
実際に申請してみると、確かに難しいと思ったポイントがあったのでご紹介します。
1. 事業管理機関が見つからない
事業管理機関は、①大学など(大学、TLO、公設試験研究機関)が管理機関になるパターンと、②中小企業自身が事業管理機関を兼ねるパターンがあります。
前者の場合、中小企業以外の経費の補助率が定額(=つまり、全額。ただし上限あり)になります。
後者の場合、大学などの補助率もすべて2/3になってしまうので、経費の負担が増えます。
単純に、できれば①のパターンがいいと思いますよね。ところが、この事業管理機関になってくれる団体を探すのが大変です。
Go-Tech事業やサポイン事業の申請経験のある団体とつながりがあったとしても、申請が大変なので断られる場合もあります。つながりがない場合、自分で探す必要があります。
Go-Techナビで事業管理機関が検索できるようになっているので、新規で受け付けてくれるか片っ端から当たっていくしかありません。
該当する団体の研究員が参画していることが条件だったり、同じ都道府県内にある中小企業のみを受け付けている場合もあります。
申請に余裕を持って、できれば公募が始まる前から探し始めることをおすすめします。
2. 経費の計算方法が複雑
前述したとおり、どの団体が事業管理機関になるかによって経費(補助金額)の計算方法が変わります。Go-Techナビに事例が載っています。

A機関というのは大学、TLO、公設試です。例えば大学が事業管理機関になると、その大学と、別のA機関も経費が定額(全額)補助されます。
間接経費はすべての機関が30%計上できます。
人件費は、A機関以外の中小企業も含めて人件費は同じ補助率で申請します。
…など、公募要領からは読み取れない複雑な計算方法があります。
Go-Tech 事業に初めて申請する場合、経費の計算方法がわかりづらいので、事務局から差し戻しがありそうです。筆者の場合、申請経験豊富な団体(事業管理機関)にアドバイスをいただいてなんとか計算できました。
3. 経営デザインシートの作成に時間がかかる
Go-Techの事業計画書では、「経営デザインシート」の要素を書くことが求められます。公募要領には次のような記述があります。
「研究開発により磨き上げた基盤技術を活かして、主たる研究等実施機関(中小企業者等)が高付加価値企業へと成長・変革するような将来ビジョンについて、申請書に記載してください。なお、申請書への記載に代えて経営デザインシートを添付することも認めます。」
令和7年度Go-Tech 事業 公募要領より
「経営デザインシートってなに?」という方も多いと思います。これは、官邸が公開している企業の将来像や成長戦略を”見える化”したシートで、単なる事業計画とは違い、“将来どうありたいか”を考えさせられる内容になっています。
Go-Techの事業計画書は15ページ以内とされていますが、研究開発計画や収益計画に加えて将来ビジョンまで15ページに収めるのは至難の業です。
そこで経営デザインシートで代替する場合が多いのですが、これも1日、2日でできるようなボリュームではありません。本来、経営層を中心に会社の方向性を考えるワークショップなどを行い、ブラッシュアップしながら完成させるレベルの書類です。
この書類が申請書類に加わるので、一般的な補助金と比べて申請が大変と感じる企業が多いのではないでしょうか。
【Go-Tech事業の申請が難しい理由】
採択率が約50%と比較的高い一方で、事業管理機関の確保や経費計算の複雑さ、経営デザインシートの作成など、申請ハードルの高さがネックとなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。この記事ではGo-Tech事業の特徴と、申請が難しく感じる理由をお伝えしました。補助金額が大きいので魅力的ですが、その分申請の大変さはあるかもしれません。
これからGo-Tech事業に挑戦したい方、まずは公募要領を読んでみてください。すでに大学等と連携して研究開発を進めているのであれば、事業管理機関を見つけることが重要です。過去採択事例を見るのもおすすめです。
毎年募集を行っているので、ぜひ時間に余裕を持って準備してみてくださいね。
【令和7年度のGo-Tech事業の採択スケジュール】(参考)
・2025年2月17日 公募開始
・2025年4月18日 公募締切(その後、4月23日まで延長)
・2025年6月26日 採択発表
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採択後の流れについてはこちら▼

