経営革新計画と持続化補助金の同時支援|note記事を更新しました

※この記事はnoteから引用しています。
みなさんこんにちは!中小企業診断士のよこたです。
先週、小規模事業者持続化補助金の採択結果が発表されました。実は私、商工会の専門家派遣である事業者さんの持続化補助金と経営革新計画の策定支援を同時進行していたんです。
結果はどちらも採択・承認されましたが、正直「どちらか一つにすればよかった…」と思うほど大変でした。
今回は、診断士として初めて臨んだ経営革新計画支援の実録をお届けします。これから補助金支援に挑戦する方の参考になれば嬉しいです。
専門家派遣の依頼内容
今年4月、地元の商工会から専門家派遣の打診がありました。
ある事業者さんが新しい事業を始めるにあたって、全5回(各2時間、合計10時間)の派遣で経営革新計画と持続化補助金の申請支援をしてくれないか、というお話です。
ちょうど持続化補助金の申請時期に重なっていたため、商工会の方は
“経営革新計画が書ければ、持続化補助金もほぼ同じだから一緒に進められるはず”
との見立てでした。
私も名前と場所を知っている、地元の事業者さん。新規事業の内容を聞く限り、とても面白そう。商工会なら家から自転車で行けるので、副業の私でも平日有休をとって支援できる――。
そんな軽い気持ちから、経営革新計画と持続化補助金を同時並行で仕上げるプランに挑戦しました。
全5回の面談の進め方
初回の面談は、4月上旬。持続化補助金は6月の申請前に商工会から「事業支援計画書」を発行してもらう必要があります。
つまり、5月末までの1か月半で全5回の専門家派遣を終え、2つの事業計画書を作成するスケジュールを考える必要がありました。
◾️ 1回目:ヒアリング
事業者さんの強みや課題、新規事業の構想を聞き取りました。その場でChatGPTにまとめてもらいながら、事業計画書の一部を埋めていきます。商工会の担当者が同席してくれたおかげで、第三者から見た事業者さんの特徴や強みも把握できました。
◾️ 2回目:数字の整理とコンセプト決め
事業者さんに新規事業のコンセプトを考えてきてもらい、それをもとに見込み顧客や単価を決めて、売上計画を一緒に作成しました。
決算書をきちんと分析しようと思っていたのですが、時間切れ。決算書や売上見込みをもとに作成する3年間の数値目標は、私が持ち帰ってExcelと格闘することになりました。
◾️ 3回目:資金計画とスケジュール
事業者さんに必要機材と経費をリストアップしてもらい、資金計画に落とし込んでいきました。数値目標も事業計画書の本文もどんどん修正していきます。
事業者さんが「完成予想図」を絵に描いてきてくれたので一気にイメージが膨らみます。事業のスケジュールも具体化しました。
◾️ 4回目:ブラッシュアップ
事業計画書と資金計画をブラッシュアップしながら、経営革新計画の審査基準(人件費・付加価値額・給与支給総額の目標値)を細かくチェックしました。持続化補助金に必要な追加書類も整えました。
◾️ 5回目:最終確認と電子申請
両方の計画書を確認し、持続化補助金はその場で電子申請を行いました。私自身、持続化補助金の電子申請は初めてだったので、商工会の方にアドバイスをいただきました。
経営革新計画は、5回の派遣の時間内に完成しなかったため、派遣終了後に事業者さんとやりとりしながら仕上げました。
同時進行で苦労したこと
結果的にどちらも仕上がりましたが、「同時進行はきつい」と痛感しました。苦労したポイントは大きく4つあります。
①初めての経営革新計画で準備が重かった
経営革新計画は、自分で申請したことがなかったので下調べに時間を取られました。また、事業者さんの分野も自分にとっては未知の世界。
ベテランの方なら慣れでスイスイ進められるのかもしれませんが、私には負荷が大きかったです(とはいえ、事前準備の段階で新しいことを学べたのはとてもありがたかったです)。
②持続化補助金が電子申請になった
5回目の専門家派遣の時間は、事業者さんと一緒にPCを見ながら持続化補助金の電子申請をする時間にあてました。つまり、実質4回(8時間)の支援で経営革新計画と持続化補助金の2つの事業計画書を仕上げなければなりません。
いくら重なっている部分が多いとはいえ、補助金申請が初めての事業者さんが、2つの事業計画書を同時並行で、しかも短期間で作成するのは至難の業です。当然、私が自宅で作業する時間がかなり多くなってしまいました。
③経営革新計画の修正指示が3回もあった
持続化補助金は「出したら終わり」ですが、経営革新計画は審査の過程で修正指示が来ることがあります。
今回は、商工会の方でも答えづらい内容の修正指示が3回も来てしまったので、私が調べて対応しました。修正内容を事業者さんに説明して、確認してもらって、商工会の方に連絡して…という作業にかなりの時間を消費しました。
(ぶっちゃけ、お金をもらう「補助金」よりも細かい指摘がありました。これまで補助金の採択率100%の私は、経営革新計画の審査の方が厳しく感じたほどです…。)
④事業者さんの自走支援が十分にできなかった
面談時間はヒアリングや売上計画の作成などで埋まり、計画書の文章作成は私が中心になってしまいました(一部、生成AIでの作成方法も案内しましたが)。時間がなかったとはいえ、事業者さんが自ら文章を書き進める経験をあまり積めなかったのは反省点です。
結果と学び
今回の専門家派遣で、
- 持続化補助金:採択
- 経営革新計画:承認(自身初)
という結果は出せましたが、正直「どちらかに集中したほうがよかった」と感じました。
経営革新計画と持続化補助金の同時支援はなかなかハードでしたが、結果的に「支援の引き出し」が確実に増えました。副業診断士としての経験値がまた一つ積み上がったと感じています。
次に同じような依頼があった場合は、事業者さん自身に事業計画書の作成能力をもっと磨いてもらえるよう、伴走役に徹することを心がけたいと思います。

