中小企業診断士・理論政策更新研修の受講|note記事を更新しました

この記事はnoteから引用しています。
先日、中小企業診断士の理論政策更新研修に参加してきました。
この研修は診断士の資格更新要件になっていて、5年間で5回以上受講する必要があります。
私は初めて受けたのですが、今回はかなり”当たりの会”だったんじゃないかと思えるくらい学びの多い研修だったので、受講レポートを書いてみます。
【この記事のおすすめす読者】
・中小企業診断士の理論政策更新研修に興味がある方
・おしぼり業界に革命を起こしたFSXさんに興味がある方
・↑のFSXさんの話に感銘を受けたよこたの興奮に付き合ってくださる方
本題は「4. おしぼりに革命を起こした株式会社FSX藤波社長のお話」ですので、すぐ読みたい方は目次から飛んでくださいね。
1. 理論政策更新研修の概要
■ 目的
理論政策更新研修は、中小企業診断士が最新の知識・政策を理解し、実務に活かすことを目的にした研修です。
中小企業診断士は、5年間で理論政策更新研修を5回以上(=年1回程度)受講しなければ、登録の更新ができません。
■ 研修テーマ
最新の中小企業政策(補助金、DX、事業承継など)や中小企業の支援事例など、診断士業務に直結するテーマを行政の担当者や専門家が解説します。
他社の模範となるような取り組みをしている企業の方が講演してくださる場合もあります。
■ 実施団体
中小企業診断協会(各都道府県協会や連合会などを通じて開催)や民間企業が実施しています。
中小企業庁ウェブサイトに実施団体の記載があります。
2. 今回私が受けた研修の概要
まずはスタンダードな公的機関の研修を受けてみたいと思い、自宅から近い埼玉県で土日に開催しているものから以下の日程を選びました。
- 実施団体:埼玉県中小企業診断協会
- 日時:2025年9月6日(土)12時30分〜17時
- 場所:コルソホール(浦和コルソ7階)
- 参加形態:会場のみ(オンラインなし)
- テーマ
1. 新しい中小企業政策について
2. 中小企業の海外展開支援
3. 中小企業の事業再構築支援

3. 受講レポート
① 埼玉県の中小企業支援政策について
埼玉県の産業労働部のご担当者が、県が行っている中小企業支援政策について説明してくださいました。
埼玉から全国に広がった便利なツールがいろいろあるというお話が印象的でした。
■ 価格交渉支援ツール
まず、価格交渉支援ツール。1,400品目以上の原材料費やサービス価格の推移がひと目ででわかるツールです。中小企業が価格交渉をする際にエビデンス資料として活用できます。
主要な統計データの発表に合わせて毎月更新されているそうです。全国で使えるような設計なので、県内にとどまらず活用されているんですね。私もお客さんに紹介したことがあります。

このツールと関連して、「収支計画シミュレーター」も紹介されていました。価格転嫁をした場合としなかった場合で、今後の収益にどれくらい影響を与えるのかシミュレーションできるツールです。
■ 事業者支援情報検索アプリ
続いて、事業者支援情報検索アプリ。事業者向けの支援制度を、企業規模や所在地などから検索できます。

国の補助金なども出てくるので、所在地にかかわらず情報収集に役立ちそうです。
私は埼玉県内で活動することが多いので、埼玉県の協会(公的機関)が実施する研修を通じて県の最新の政策を学べる機会があってよかったです。
② 中小企業の事業再構築支援
埼玉県協会所属の診断士の方からは、事業再構築補助金の活用を中心とした支援事例のご紹介がありました。
詳しくは書けませんが、補助金採択後の伴走支援を続ける中で、支援内容が流動的に変わっていくのが印象的でした。
以前の私は、自分の支援メニューを絞らなきゃいけないと思っていました。でも、実際の現場では様々な対応が求められることを知り、苦手なことでもとにかく経験を積むことが大事なんだと実感しました。
4. おしぼり業界に革命を起こした株式会社FSX藤波社長のお話
この理論政策更新研修でいちばん感動したのが、おしぼり業界に革命を起こした株式会社FSX藤浪社長のお話でした。
みなさん、こちらのおしぼりに見覚えはありませんか?

ちょっといいホテルとか、自動車のディーラー、ハウスメーカーの商談スペースとかで目にすることの多い「AROMA Premium」(アロマプレミアム)というおしぼりです。
こちらのおしぼりを作ってるのが、東京都国立市にある株式会社FSX(Fujinami Service Express)さん。その2代目社長の藤波さんが講演してくださったんです(藤波社長は“国立生まれ・おしぼり育ち”と笑顔で自己紹介されていました)。
正直、藤波社長のお話を聞くまでは「全国的に有名なおしぼりを作ってる中小企業かー、すごいなぁ」くらいにしか思わなかったでしょう。
実際は、1枚のおしぼりに伝統とイノベーション、技術と信念がギュッとつまっていました。
貸しおしぼり業から広がるイノベーション
FSXさんは1967年創業。日本特有のおもてなし文化である「おしぼり」には、人を癒して元気にする力があると信じて、「貸しおしぼり業」からスタートしました。
現在では、
- おしぼり関連商品の開発・製造・販売
- 抗ウイルス・抗菌技術の研究開発
- おしぼり産業のDX化
など、幅広い領域に展開されています。
まさに、おしぼり業界の先駆者。私は今のFSXさんしか知りませんが、ここに至るまで様々な苦労があったと思います。
創業から50年以上、伝統的なおしぼりレンタル事業を続けてこられたこと。おしぼり文化を再定義して、時代に合わせて新しい事業を始められてきたこと。どちらもFSXさんの価値を高め続けています。
「AROMA Premium」に込められた技術
「AROMA Premium」は一見するとシンプルですが、実は他社が真似できない数々の特許や商標に支えられています。
たとえば、大学との共同研究で開発された抗ウイルス・抗菌技術「VB」(Virus Block)。おしぼりの衛生力をアップできる特許技術で、「VBマーク」も商標登録されています。
また、アロマ付きおしぼりは香りの種類ごとに設備を組み替える必要があり、段取りに時間がかかるのが課題でした。FSXさんはその解決方法を自社で確立し、複数の香りを安定的に付加するしくみを作り上げています。
藤波社長は「特許や商標を取る中で、知財が大好きになった」と話されていました。
公式HPを見れば、その数の多さに圧倒されます。たとえば、おしぼりの製造方法だけでもこんな特許がずらり。
・おしぼり及びおしぼりの製造方法
・紙おしぼり製造装置及び紙おしぼり製造方法
・包装袋、おしぼり個装体、香気製品個装体および包装袋の製造方法
・布おしぼり香り付け装置、布おしぼり製造装置及び布おしぼり製造方法
FSXさんの特許の一部。公式HPより
また驚いたのは、「AROMA Premium」のような香り付きおしぼり・抗菌おしぼりの技術自体は10年以上前からあったということ。しかも、「VB」は抗ウイルス・抗菌の機能は強力なのに人畜無害で肌に優しいという特長もあります。
コロナ禍で抗ウイルス・抗菌剤が注目される何年も前から研究開発を進めてきたからこそ、誰にも真似できない優位性を確立できたのです。
「おしぼり愛」と社長の人柄
何より印象的だったのは、藤波社長のお人柄。
「おしぼりが大好き、貸しおしぼり業が大好き」
「伝統を大切にしながらイノベーションを起こしていきたい」
と何度もおっしゃっていて、その言葉に心を打たれました。
FSXさんのおしぼりは海外でも人気ですが、最初から順風満帆だったわけではありません。
藤波社長は何度も海外に渡航し、展示会にも出展し、現地の文化に触れてこられました。そうした積み重ねが後の開発のヒントになったそうです。
こんな風に情熱と信念のこもったプレゼンを聞くうちに、私自身はすっかり藤波社長・FSXさんのファンになっていました。
他にも、被災地へのおしぼり無償提供とか、化粧品レベルのおしぼり品質とか、大阪・関西万博の話とか、いろいろ書きたいのですが書ききれません!
FSXさんの取り組みについては 中小企業基盤整備機構の「J-Net21」 や東京都中小企業振興公社HPにも詳しい記事があります。興味のある方はぜひ参考にしてみてください。
おまけエピソード
実は、研修会場では参加者全員にFSXさんのおしぼり3本セットが配布され、私も「AROMA Premium」を手に取って使わせてもらいました。
シトラスの香りに癒されながら講演を拝聴。スッキリとした香りもしっとり感もとても心地よくて、休憩時間にも思わず何度も香りを嗅いでしまったほどでした。
驚いたのは翌日。夫に見せようと持ち帰ったおしぼりが、まだしっとり湿っていて、香りも残っていたのです。普通なら一晩でカピカピになるのに…これが特許技術の力なのかと感動しました。
まとめ
今回は理論政策更新研修の受講レポートをまとめました。
「資格更新のための義務」として参加した研修でしたが、実際には最新の政策や実務事例、そしてFSXさんのような優れた中小企業の生の声に触れられる貴重な機会となりました。
特に私が”当たりの会だった”と思った理由は、FSXさんのような企業を知れたからです。
次回以降も、なるべく中小企業の方が講義してくださる会を選んで参加したいと思いました。
私のnoteでは、
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